神奈川県相模原市南区

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鍼・灸・経絡あん摩

やまもと鍼灸治療院

院長 山本 裕子 

相模原市南区を中心に

鍼灸マッサージの施術を行っております。

 盲ろう者について いろいろ

 

視覚と聴覚に障害のあり「盲ろう者」と聞くと・・・ヘレンケラーを思い浮かべますか。

日本で有名な盲ろう者といえば東大の教授になられた福島智先生ですね。

おふたりは全く見えなくて全く聞こえない状態です。

「盲ろう者」とひとくくりにしても、その見え方、聞こえ方はさまざまです。

(ちなみに・・・私は明暗、光は分かります。補聴器を使えば音も聞こえます。)

どんな見え方?

 

まず、見え方。これは眼鏡やコンタクトレンズで矯正したうえでの見え方でのお話です

生活に支障のない見え方の晴眼者(←視覚的な健常者をこう表します)と、明るさも分からない完全な全盲者との間に、「弱視」や「ロービジョン」と呼ばれる人たちがいます。

視覚で障害者手帳を持っている人は、全盲よりも弱視、ロービジョンの人の方が多いです。これは考えれば当然なことです。

全盲でない人が白杖を持って歩いていると「偽物」だと偽装を疑われて心を痛めることは実は少なくありません。

視力が出にくいというのは、なんとなく想像がつくでしょうか?

ピントが合わなかったり、もやがかかったり、白くまぶしかったり、視野の一部が黒かったり、黄色やピンクに色がついて見えたり・・・。

私の友人たちもそれぞれにいろいろな見えにくさがあるようです。

晴眼者は正面を向いていても周囲が見えますよね。

この見える範囲を視野といいます。

視力には問題がなくてもこの視野に異常がある人があります。

真ん中だけが見えていれば文字は読ますが、歩くときに足元も横にいる人も見えず困難が生じてしまいます。

盲ろう者となりやすい疾患のひとつ「網膜色素変性症」では、このようにトイレットペーパーの芯を目の前においているような、中心部分だけが見える視野が特徴的です。

どんな聞こえかた?

 

次に聞こえ方です。

日常生活に何の支障もない聞こえの健聴者と、補聴器を使っても大きな音が聞こえない聾者の間にたくさんの難聴者がいます。

後ろから大きな声で呼んだら振り返ったからあれは聞こえている、「偽物」だと偽装を疑うのも、これもまたナンセンスなお話なのですよ。

難聴は、補聴器が有効に働く「伝音性難聴」と、補聴器を使っても音がひずんでしまい言葉の聞き取りが難しい傾向にある「感音性難聴」の2種類があります。

感音性難聴では大きな音が耳に入ること自体が苦痛な人が少なくなく、むやみに近づいて大きな声を出しても聞き取りの向上の効果は望めません。

高い音から低い音までバランスよく(ちょっとへんな表現ですね?)万遍なく聞こえにくいということはなく、人によって苦手な音の高さが違います。

そこで男の人の声は聞こえるのに高い女性の声が聞こえないなんていう不都合なことが起きてしまうのです。

また、難聴者は健聴者と比べて周囲にいろいろな音がある環境で、必要な音だけを取り出して聞く能力が低いです。

 

聴力検査の結果の●●デシベルという数値がまったく同じ人がここにいたとしても、その聞こえ方は同じだとは言えません。

盲ろう者の分類

 

このふたつの障害の組み合わせが盲ろう者です。

ただし、この障害には「1+1=2」という足し算的なものではない、独特な困難さがあります。

視覚障害、聴覚障害という障害区分はあるものの、盲ろうという障害区分がないことが、私たちを理解していただきにくい原因のひとつだと感じています。

このお話はまた別の機会にさせていただきますね。

 

「全盲ろう」「盲難聴」「弱視ろう」「弱視難聴」と大きく4つに分けることができます。

しかしその見え方や聞こえ方は盲ろう者の数だけあるといったほうが実情をあらわしている思います。

 

その生育過程や生活背景によって、困難なことは違いますし、コミュニケーションの方法も大きく異なります。

先天的な盲ろう者(盲ろう児)は言語の観念の習得から難しくなりますが、大学に進学した人もいらっしゃいます。

生まれつき聾者で、あとから視覚にも障害が生じたろうベースの盲ろう者」の場合は、訓練を受けていても音声でお話しすることが苦手な場合が多いです。

子供の頃は耳が聞こえていて、あとから聴覚に障害が生じたベースの盲ろう者」は、自分の声でお話しすることができる人が多いです。(例えば福島智先生がそうです。)

 

 

どこにいるの?

先般、盲ろう者は全国に1万3952人いるという調査結果が新聞に載りました。

いかがでしょう、少なく感じますか?

日本の人口は1億2713万人(H26.3)。そのなかでの盲ろう者の割合を計算してみますね。

13,952人÷127,130,000人×100=0.011%

・・・1万人にひとりといったところですね。

東京ドームの収容人数が5万5000人ですから、満席の客席を見回せば5人の盲ろう者がいていいのです。

どうでしょう、盲ろう者はあなたのすぐそばにいる・・・はずなんですよ。

でも外に出ることをあきらめて家のなかに引きこもっている盲ろう者もあるでしょう。

また、白杖を持つことで視覚障害はほかの人から見て分かりますが、聴覚障害の有無は外見からは分かりにくいものです。

盲ろう者は盲ろう通訳介助員の制度を使うことができます。

視覚障害者でいうところのガイドヘルパーと、聴覚障害者が利用する通訳と、この両方の役割を担うため特別な講習を受けた通訳介助員が派遣されます。

残念ながらこの制度をご存じない盲ろう者もいらっしゃるようです。

 

どうコミュニケーションをとったらいいの?

 

手話ができないから、点字ができないから盲ろう者とコミュニケーションが取れない・・・どうしよう・・・。

そんな心配はしなくて大丈夫です。

まずは、ゆっくりはっきりとした発音で話しかけてみてください。

それが聞き取れないようでしたら、盲ろう者の手のひらに指で大きくゆっくり文字を書いてみてください。

手のひらに書かれた文字を読み取ることができる盲ろう者は多いです。まずはこれで通じる可能性が高いと思います。

文字は平仮名が分かりやすい人、カタカナがいい人、漢字を混ぜても大丈夫な人などそれぞれです。

 

盲ろう者はそれぞれ、得意なコミュニケーション方法を持っています。

代表的なのはやはり手話です。

手話も見え方によって近づいたり反対にちょっと遠くに離れたり、触ったりして読みます。

手話を使う盲ろう者は聾の人が多く、発音することが苦手な人が多いです。

点字を使う方法もあります。

視覚障害が先に生じて点字を覚えた人が使うことが多いですので、こちらは発音することが上手な人が比較的多いです。

また、ブリスタという点字の速記のタイプライターを使ったり、伏せた両手の指の上を点字タイプのキーに見立てて点字を打って伝える指点字、点字ディスプレイをつかうこともあります。

あと、忘れてはいけないのが音声筆談

補聴器を使っている難聴者は適切な距離で、聞こえやす声の大きさで、ゆっくりはっきり発音してもらうことで聞き取れる場合があります。

補聴器に音を届ける専用のマイクを使うこともあります。

残存視覚を使って筆談をする時には、周囲の明るさや使う筆記用具、文字の太さ、大きさを工夫しています。パソコンの文字を拡大したり、拡大読書機を使って見ることもあります。


続く・・・

 

 

 

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